STUDIOVOICEのチルアウト&アンビエント 環境音楽特集にも取り上げられた一枚。静けさの中にかすかに聴こえる、小さくてかわいらしい音。自分が小さくなってしまったような不思議な感覚になります。
mama! milk のアコーディオン奏者、生駒祐子さんのソロ作品。オルゴールやトイピアノ、オルガンなどの楽器が、心の奥に眠っている少し暗い灰色の世界に連れて行ってくれます。どこか懐かしいのはどうしてなんだろう。
弦にネジやボルトなどをはさんで音を変化させるプリペアド・ピアノの曲も入ったアルバム。倍音たっぷりの響きの中に、ケージ独特の鏡の裏側のような世界が広がっています。最後の「Dream」という曲はタイトルどおり...あっという間に夢の中。
少しずつ沈んでいくタイタニック号の中で演奏されていたアンサンブル。それらが本当に再現されているのではないかと思えるほど重たい作品。美しい不協和音、神秘的なコーラス。「終わり」を疑似体験できます。
重厚なドローンに繊細な電子音の数々が散りばめられた曲たち。タイムトリップしてきたようなピアノの音がサラサラな砂になって身体を包みます。そのまま吸い込まれても大丈夫。そこにはキレイな空気が流れているから。
ぱっと聴きひんやりした質感。でも、身体に入ってくるとあたたかいものに変化して、じんわり広がっていきます。永遠に歳をとらない少女の心の中の物語...それをこっそりと、でも虫眼鏡で拡大して覗いてしまったよう。
何の準備もいらない、どんな状態でも大丈夫。さやさんの声に身をゆだねるだけで、すべて受け入れてもらえる。そんな風に思えるほど、広くて深い宇宙です。そこで生まれた感情は、閉じ込めて誰にも見つからないよう隠してしまおう。
力強く壮大で、カラフルな物語が詰まったベスト盤。完璧に創られたケイトブッシュの世界。完全に日常と切り離された世界だからこそ、入り込めたら旅行感いっぱい。希望も湧いてきます。弱っているときではなくて、そこそこ元気なときに。