決して輝きを失うことのない美しいメロディーとコーラスワーク。ミニマルな詞とバンドサウンド、たったそれだけで奏でられる至上の歌が優しく語りかけてくれます。
Dan Abrams氏によるプロジェクト、Shuttle 358。クリック、ノイズ、グリッチ、それらがほとんど完璧といっていいくらい綿密にレイアウトされていながらも、どこか暖かみを内包した音のマフラー。
冷たい空気にとけ込むというより冬の室内の、それも暖炉のような暖かさを感じるアルバムです。3人のアドリブが長年連れ添った恋人の会話のように寡黙に丁寧に紡がれます。Bill EvansとStan Getzで有名なGrandfathers Waltzのアレンジは秀逸!
mumを中心に様々なユニット、バンドで活躍するチェリスト、Hildur Guðnadóttirのソロアルバム。チェロの幽玄な響きは冬の静寂に美しく溶け込んで、瞑想的な世界を演出してくれます。タルコフスキーの映画にでてきそうなジャケットも魅力的。
朝でも昼でも夕方でもない時間。穏やかな海の沖合。魚たちやわずかな潮の流れのせいで沈まず浮上せずある一定の位置にゆらゆらとサスペンドしているようなイメージ。無作為なようで実は個々のサウンドスケープが1つの流れを持っていて、そういった音作りは昔も今も勉強させてもらっています。
アルバムを通して描かれるストーリーがとても官能的。一人を堪能するには十分すぎるほどの上質なショートフィルムです。
Graham Richardson氏によるソロプロジェクトの3ndアルバム。北の島に引っ越した少女とその家族の話をテーマにしたコンセプトアルバムとのことで、音楽が自然に風景に馴染みます。日常を少しだけドラマティックに彩ってくれる美しいフォークトロニカ作品です。
ノルウェーのジャズ・エクスペリメンタルレーベル、rune grammofonよりThe FoodのLast Supper。たったの一音で、息づかいの一つで空気を変えてしまう音楽はやっぱり素敵です。とにかく大好きな作品です。