ひとてま

paniyolo

日々の生活の中に散りばめられた、小さな幸せが織り成す、ある1つの物語。
ギタリスト『paniyolo』待望の2ndアルバム。

1stアルバム『i'm home』より3年超しとなる今作。温かいアコースティックサウンドを奏でるギタリストpaniyolo(高坂宗輝) による2ndフルアルバム。レーベルメイトの作品やライブにて、サポートギターとして参加してきた彼が、ゆっくりと自分のギターに向き合った今作は、本職とも言えるアコースティックの奏を自身が鳴らしたい音に逆らわず弾き倒した作品、と云っても過言ではないだろう。
1st でのエレクトリックな音は今作では大幅に削り落とされ、ギターによるメロディを軸に、そこへ微かに混じるシンプルな音たち。自身の追求する音楽へのこだわりの強さから生まれるギターサウンドはさらに深みを増し、そのゆったりとした人柄が良く表れている。弾き手の息をすぐそこに感じさせながら、どこかラウンジ感も持ち合わせた、抵抗力無く耳にフィットする低中域の心地良さ。弾き手と聴き手の間に、電子的な音の隔たりがまるで無いかの様に真っ直ぐに伝わる、ナチュラルで懐かしいウォーミィな音空間。
慌ただしい人々や時間のすき間を抜けて静かに、1本のギターと共に佇む彼の姿が伝わってくる、人間味溢れた作品となっている。
パーカッショニストの三沢泉と今作のミキシングも担当している大場傑がピアノで参加しているほか、数多くの本の装画、題字を手がける切り絵作家の辻恵子がアートワークを担当。誰かの暮らしにそっと寄り添う様に、1歩1歩その足どりを確かめながら進んできたpaniyolo。日々の生活の中にある小さな幸せを感じ、そこから産まれた楽曲が織り成す物語は、paniyolo の代表作と呼ぶにふさわしい。

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