カエターノにしては珍しい弾き語りスタイルによる演奏の作品。マイケル・ジャクソンなどの名曲などもプレイしており、親しみのわく1枚。
本作をヴェローゾの1967年のデビュー作とお間違えなきように(とはいえ、あちらのアルバムも聴き逃し厳禁の名作だ)。この1986年の作品では、ブラジリアン・ポップ界のスーパースターが物静かなムードをまとって登場する。ほぼ全編がアコースティック、伴奏者なしという展開は、初期のヴェローゾの奇抜で急進的なポップとは対照的で、気難しさを感じさせる部分も多い。しかし、文化の異種交配とでも呼ぶべき感覚はまだ残っている。これは、ヴェローゾが1960年代後半のトロピカリア・ムーブメントを引っ張っていた時機から引き継がれているものだ。とりわけ、「Billie Jean」と「Eleanor Rigby」をつなげた名曲メドレーの楽しさには注目したい。とはいえ、このアルバムの大部分は格調高く成熟した仕上がりを見せている。その意味で、本作には本作なりの美しさ、優雅さがあり、必ずしも悪い作品ではない。ただし、1960年代後半のヴェローゾが見せた目のくらみそうな凄みは皆無だ。(Amazon.co.jpより)
SongList
- Trilhos Urbanos
- Homem Velho
- Luz Do Sol
- Ca Ja
- Medley: Dindi/Eu Sei Que Vou Te Amar
- Medley: Nega Maluca/Billie Jean/Eleanor Rigby
- O Leaozinho
- Coracao Vagabundo
- Pulsar
- Get Out Of Town
- Saudosismo
- Odara
- Terra