Tin Drum

JAPAN

退廃的なポストパンク・バンドからスタートし、洗練されたエレクトロニック・サウンドの導入を経て、アートの高みに登り詰めていった Japan の5thアルバム。この後、ラスト・アルバムとしてリリースされた「Oil on Canvas」はライブ盤のため、本作が実質的なラスト・アルバムと言える。活動中にスタイルを変容させるバンドは数あれど、彼らほど "成長" という言葉がふさわしいバンドはない。決して最初が悪かったという意味ではなく(1st「Adlescent Sex」は若さほとばしるポストパンクの名盤)、自分たちが理想とするサウンドをストイックに追い求めていった結果、その都度その都度にエポック・メイキングな作品を残し、最後にこのような唯一無二のアートを生み出した。不規則なリズム、方向の定まらないシンセの無国籍な響き、フレットレス・ベースのスピリチュアルなうねり、そして David Sylvian の歌声。1つ1つの要素は非常に実験的でありながら、総体としてポップさを持ち得たという希有な作品である。歴史的マスターピース。(iTunes Reviewより)

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