ウェストコースト・オリジナルなバレアリック感覚を育んできたサンフランシスコのプロデューサー・デュオ、ウィンドサーフ。プリンス・トーマスのレーベルINTERNASJONALの第1弾としてリリースされ話題を集めた2008年の『coastlines』から4年振りとなるアルバム『Weird Energy』ここに完成。
フュージョンからテクノ・ポップへ、そしてテクノ・ポップからエレクトロ・ファンクへ。さらにはアナログとデジタルが交錯し、スパークすることでイノヴェイティヴな音楽が生まれた70年代後期から80年代中期の音楽シーンに対する尽きない憧憬。無邪気な未来志向がまぶしい映画『トロン』に象徴されるレトロなデジタル・アート、YMOがそうであったように、オリエンタリズムとモダニズムを同居させたジャパニーズ・カルチャーの折衷性......ある種のエキゾチズムを喚起させるそういった要素をブリージンなトラックに溶かし込むことで、ウェストコースト・オリジナルなバレアリック感覚を育んできたサンフランシスコのプロデューサー・デュオ、ウィンドサーフ。それぞれ、ハッチバック、ソーサラーというソロ・プロジェクトでも素晴らしい作品を発表しているサム・グロウとダン・ジャッドが、2008年の『coastlines』から4年振りとなるアルバム『Windsurf』をここに完成させた。
モダン・デザイン&アーキテクチャーを扱う『ドウェル』誌の元編集長にして、ヴィンテージ・シンセサイザーのコレクター、さらにはジャパニーズ・フュージョンのマニアでもあるセンスとデザインの人、サム。そして、ファイストとも縁が深いソフトロック・バンド、コール&レスポンスの元メンバーにして、2011年の結成後すぐにNMEが取り上げたコズミック・ポップ・バンド、ショックの一員でもあるバンド畑出身のダン。この作品は、そんな彼らの異なるバックグラウンドが鮮やかなヴィジュアル・イメージを喚起する洗練されたサウンド・デザインと甘美なメロディラインや生楽器を交えたアレンジメントとなって響き合い、まばゆい光を放っている。収録されているのは、2009年にYouTubeで公開された自作ミュージック・ビデオが大きな話題になり、その後、長らくリリースが待望されていた夏のフロア・アンセム「Weird Energy」、米国の音楽誌「FADER」のレーベルより7インチでリリースされたメロウ・チルアウトな「Vapour Trails」を含む珠玉の6曲。ビーチ・カルチャーとサイケデリック・カルチャーのクロスポイントである米国西海岸らしいオープンエアのアトモスフィアをたっぷりふくんだ本作は、日差しがいっぱいに降り注ぐこれからの季節にその魅力が最大限に引き出されることになるはずだ。(Amazon.co.jpより)