28 (feat. Tujiko Noriko)

AOKI takamasa

甘い女性ヴォーカル、ピュアで甘美なエレクトロニクス、絶妙で、そしてファンキーなビート・プログラミングが美しく溶合った、2人による3年越しのコラボレーションの成果である。28はある種古典的なエレクトロニカ・アルバムの雰囲気を持っている。緻密さ、透明感、細部へのこだわりが繊細に作用し、すべてがいっしょに溶け合いながらオーガニックにゆっくりと流れてゆく。幾重にも重なった層に、ツジコ・ノリコの声は美しく、ミックスの中に収められている。ほとんどの曲は日本語で歌われているが、彼女のヴォーカルは暖かみとソリッドなテイストをアルバムに加えている。息遣いが聞こえて来る飛行機雲あるいは子守唄のハミングのような。ソフトなループやテクスチャーに加え、アルバムは浮遊感を持ったゆらぎとしなやかなビートで構成されている。

アオキとツジコのコラボレーションは、2002年パリでのイベントThe Cartier Foundationに出演したのがきっかけとなり、トラック"Fly"の制作を最初に始めた。いっしょに仕事をしていくにつれ、2人ともこのコラボレーションを気に入るようになり、アルバム単位でのプロジェクトとして広げることを決めた。 しかしながら、そのイベントの後、当時アオキが大阪、ツジコがパリで生活しているということもあり、いっしょに制作する時間があまりなかった。この問題をなくすために、それぞれが作ったオーディオ・ファイルを送り合いながら、ちょっとずつトラックを作り上げて行った。結果、アルバム完成までに時間がかかることとなった(アオキが1年前にパリに引っ越してきたことでスピードアップにはなかったが)。 2人でレコーディングしたアルバムとしては初めてのものだが、アオキはこれまで日本のProgressive Formやcirqueから4枚のアルバムをリリースしている。ヨーロッパのリスナーにはより知られているツジコは、Mego、Sub Rosa、Tomlabからアルバムをリリースし、既に多くの注目を集めている。アオキとツジコはFondation Cartierin Paris 2002、Sonar Festival in Barcelona in 2003、Prague and Italy in 2003、Toulouse 2004など既にいくつものイベントでいっしょにライヴをおこなっている。近いうちにまたヨーロッパでの新しいショーを期待したいものだ。(Amazon.co.jpより)

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